研修・技術支援室では海事関係者への研修や研究会などの事業を実施しています。

私たちが目指しているのは、お客様のご要望に応える「ホットな技術情報」をご提供することです。「ホット」を実現させるために、船主はもとより造船所や機器メーカー、さらには大学、行政機関、役所等との連携を強みとして、海事関係者への研修や研究会などの事業を実施しています。

1.海事国際条約等に関連する研修

JICA課題別研修/船舶安全コース:2019年度
東京MOU ポートステートコントロール検査官一般研修
:2019年度GTC9

船舶建造に関わる豊富な経験や技術的知見を活かし、発展途上国の海事関係者への研修を実施しています。

  • 海事国際条約及び船舶安全検査に関する研修

    • 海事国際条約及び船舶安全検査に関する研修

      当センターでは、我が国が実施する政府開発援助 (ODA) の一環として、発展途上国における船舶の建造と保守に必要な安全 (環境関連を含む) 検査に関わる人的育成を支援するため、JICAから「海事国際条約及び船舶安全検査」研修コースの実施を委託され、2000年から2015年までの4半期コース、その後、2016年からは、名を「船舶安全Ship Safety」と改め、毎年、世界中の政府機関からの研修員を受入れています。

      本研修は、国土交通省によるご指導のもと、海上保安庁、横浜市港湾局などの行政機関のみならず、IMO及び日本海事協会など、多くの関連機関や事業者の皆様のご協力を頂き、実施しております。

      • ●コースの概要:2か月
      • ●座学:約6週間
        • 海事国際条約 (海上人命安全条約、海洋汚染防止条約、満載喫水線条約、バラスト水管理条約等) と、これらの基準に基づいた安全検査の要領
        • 外国船舶に対する検査(ポートステートコントロール:PSC*)の要領
        • 内航船の安全を確保するための諸制度
        • IMOによる特別講義 (web)
      • ●実習:約10日間
        • 造船所、舶用機器メーカー、救命筏サービスステーション等での見学実習
        • 横浜港、各研究機関、海上交通センターの施設見学
        • PSC乗船研修、海技教育機構の練習船での乗船研修
      • ●カントリーレポート (自国の検査制度等の紹介) とアクションプラン (帰国後、当研修で学んだ知見を活かしての行動計画) の作成と発表
      *ポートステートコントロール:PSC

      寄港国が自国に入港した外国船舶に対し、人命の安全や環境の保全を目的とした立入検査により基準適合性を確認する制度で、重大な欠陥が確認された場合には出港前にこれを是正させるなど旗国政府の機能を補完するもの。

      造船所での現場実習
      救命筏サービスステーションでの実習
  • ポートステートコントロール (PSC) の実施に関する研修

    • ポートステートコントロール (PSC) の実施に関する研修

      当センターでは、東京エムオウユウ事務局*からの委託を受け、同事務局の設立(1993年)以来、様々な形態でPSC検査官の研修を実施してきました。

      現在は、PSC検査官の能力向上や検査手順の調和を図るため、PSC職員が最低限有するべき知識に関する座学および実船訓練を内容とする一般研修(General Training Course)を、同事務局、国土交通省海事局および地方運輸局と連携して実施しています。

      近年は、東京MOU域内の国々に加え、IMOの技術協力プログラム等を通じて、世界中のMOUからPSC検査官が参加しています。

      *東京エムオウユウ事務局

      PSCの実施は地域的に取り組むことが有効であることから、IMOにおいて1991年に「PSCに関する地域協力の促進に関する総会決議」が採択され、これを踏まえ、1993年12月、東京にて、アジア太平洋地域におけるPSCの地域協力に関する合意(東京MOU)がなされ、事務局は東京に置かれている。

      公益財団法人 東京エムオウユウ事務局

      教室での座学研修
      船上での乗船訓練
  • 発展途上国政府の要請により実施する特定項目の研修

    • 発展途上国政府の要請により実施する特定項目の研修

      我が国のODAの一環として、発展途上国政府からの要請により、特定のテーマを定め、次のような研修を実施しています。

      インドネシア国:PSCトレーナー研修
      • 平成22年度インドネシア国別研修「PSCトレーナー研修」
      • 平成22年7月20日 ~ 平成22年8月6日
      • インドネシアにおけるPSC検査技術の向上を図るため、自国のPSC検査官を指導教育する立場にある先任PSC検査官等を教育する。
      コース名

      (和文) 国別研修 インドネシア「PSCの強化」

      (英文) Country Focused Training Cource in Enforcement of Indonesian PSC Activities

      研修期間
      平成21年11月24日 ~ 平成21年12月11日
      ジプチ国:船舶オペレーション・維持管理能力向上
      研修コース名
      平成21年度ジブチ国別研修「船舶オペレーション・維持管理能力向上」
      受入期間
      平成22年2月28日 ~ 同年3月13日
      技術研修期間
      平成22年3月1日 ~ 同年3月12日
      フィリピン国:船舶検査行政
      コース名

      (和文) 国別研修 フィリピン「船舶検査行政」

      (英文) Country Focused Traning Cource in “Enhancement of Ship Inspection and Admnistration” fo Philippines

      研修期間
      平成17年2月28日 ~ 平成17年3月25日
      モザンビーク国:船舶維持管理システム
      • モザンビーク国別研修日程表 (案)
      • (JICAカウンターパート研修) 2007.1.5
      研修員
      Maintenance Supervisor, Empresa Moçambicana de Dragagens E.P. (EMODRAGA)
      研修期間
      平成19年3月4日 ~ 同年3月17日
      研修科目
      船舶維持管理システム
      インドネシア国:船舶管理
      コース名

      (和文) 国別研修 インドネシア「船舶管理」

      (英文) Country Focused Training Cource in Ship Management for Indonesia

      研修期間
      平成18年11月27日 ~ 平成18年12月22日

2.船型開発等のための技術研究会の開催等

水槽試験や船型開発の豊富な実績、技術開発成果に基づき、各種技術研究会、講演会の開催、技術情報の発信等により業界全体の技術レベルの向上に努めています。

  • SRC技術セミナー

    • SRC技術セミナー

      海事産業の促進に資することを目的に、最新の技術を紹介する一般公開の技術セミナーを開催しています。

      令和2年度・令和3年度

      ・新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から中止になりました。

      令和元年11月11日 (月) 広島 (参加者146名)

      1.「国際条約等と船舶産業政策の動向」国土交通省 斎藤課長

      2.「EEDI (エネルギー効率設計指標) 規制の最新動向と技術課題」NK 三宅主幹 (代理講演 神崎 圭祐)

      3.「LNG燃料船への期待」九州大学 高崎講二

      4.「船舶におけるデジタル化に向けて」NMRI 越智宏

      5.「海事分野へのAIの適用」NMRI 平方勝

      6.「追跡的3次元計測を用いた船舶建造ブロック精度向」広島大学 濱田邦裕

      平成30年11月12日 (月) 広島 (参加者161名)

      1.「IMOの海洋環境規制の動向」国土交通省 斎藤英明 (代理講演 今井新)

      2.「EEDI予備認証試験に関する国際機関の動向」JMU 大森拓也

      3.「2020年からのSOx規制の強化」国土交通省 今井新

      4.「新たな動力システムの開発」NMRI 平田宏一

      5.「産業車両分野へのFC (水素燃料電池) の展開」豊田自動織機 鈴木宏紀 (代理講演 吉川 浩二)

      6.「造船作業を支援するAR (拡張現実) 技術の開発」NMRI 松尾宏平

      平成29年10月23日 (月) 広島 (参加者134名)

      1.「IMOの海洋環境規制の動向」国土交通省 斎藤英明

      2.「SOx規制(燃料油)」石油連盟 三浦安史

      3.「内航船「省エネ格付け」制度」国土交通省 河合崇

      4.「自律船への取組み」NMRI 福戸淳司

      5.「船舶の振動解析手法」JRTT 阿部真嗣

      6.「レーザ・アークハイブリッド溶接手法」九州大学 後藤浩二

      平成28年11月28日 (月) 広島 (参加者115名)

      1.「造船業の現状、課題及び今後の見通し」国土交通省 宮武宣史

      2.「船内騒音の解析手法」広島大学 竹澤晃弘

      3.「最新のCFDを利用した船舶の性能評価技術の状況」NMRI 平田信行

      4.「無人化船の開発の現状と今後の見通し」NMRI 田村兼吉

      5.「外航海運の現状、課題及び展望」日本船主協会 石川尚

      6.「内航海運におけるCO2低減化船等の建造支援」JRTT 渡田滋彦

      7.「NKの船舶技術支援事業」NK 髙野裕文

      平成27年11月26日 (木) 広島 (参加者98名)

      1.「船舶産業行政における最近の状況」国土交通省 大坪新一郎

      2.「EEDI規制における最低出力ガイドラインの検討状況と改正海上試運転解析法」広島大学  安川宏紀

      3.「CFDを利用した船舶の性能評価技術の最新の状況」横浜国立大学 日野孝則

      4.「流場計測技術について~実船流場計測への適用の可能性~」SRC 金井健

      5.「船内騒音に係る中国地区における取組」NK  中村庸介

      6.「騒音規制に対するエンジンメーカーとしての取組」ダイハツ 宮本一郎

      7.「騒音規制に対する内装事業者としての取組」長崎船舶装備 宮脇幹一

      8.「造船分野におけるレーザ・アークハイブリッド溶接技術開発に関する業界共同研究の概要」九州大学 後藤浩二

      平成26年12月1日 (月) 広島 (参加者82名)

      1.「船舶に関する環境規制の最近の動向について」国土交通省 大谷雅実

      2.「内航海運の現状と最近の諸規制への対応状況課題について」JRTT 吉田稔

      3.「船舶の騒音規制と騒音解析技術」広島大学 竹澤晃弘

      4.「バラスト水問題への対応とMIBSの開発」名村造船所 夏城力

      5.「実海域推進性能 (fw) と認証について」NMRI 辻元勝

      平成25年11月25日 (月) 広島 (参加者78名)

      1.「国土交通省の造船関連技術政策」国土交通省 大坪新一郎

      2.「環境規制と舶用動力プラント」NMRI 春海一佳

      3.「プロペラ性能向上に関わる一試み」九州大学 安東潤

      4.「ステレオPIVによる模型船周りの流れの計測」大阪大学 戸田保幸

      平成24年11月26日 (水) 福岡 (参加者45名)、11月27日 (木) 広島 (参加者41名)、11月28日 (金) 今治 (参加者49名)

      1.「最新の留意すべき国際ルールと対応について」国土交通省 平原祐

      2.「船舶の推進性能向上法の試案」九州大学 中武一明

      3.「小型造船業の現状と課題」広島大学 小瀬邦治

  • 技術懇談会

    • 技術懇談会

      最新の技術に関する情報の提供、今後の技術動向についての意見の交換を行うとともに、SRCに対するご要望をお聞きする目的で定期的に技術懇談会を開催しています。近年はSRC技術セミナーと同日開催しています。

  • 造工中手船型研究会

    • 造工中手船型研究会 (HRC:Hull Research Comittee)

      第124回委員会の風景

      当センターと造船各社が実施している共同研究会です。船型試験に立脚した、実験的・理論的船型設計法の研究を中心とした、操縦性能、波浪中性能などその時々の技術的要請に応じた研究を行なっています。この研究会は、昭和55年に第1回が行われてから平成を超え令和に至る今日まで、継続して40年の間、150回以上実施してきました。

      HRC共同研究の目的は、メンバー各社の船型関連技術の維持・向上と伝承です。 その実現の為に、合意された取組み方針は以下の通りです。

      1. 運航性能に優れた船型の開発と船型データの整備を継続する事
      2. 理論に基づく性能計算法や船型設計法の実用化を推進する事
      3. 緊急な技術課題に対処し、技術知見及び対応範囲を拡大する事
      4. 基礎研究課題に取組む事

      また、各社の世代交代が進む中で、先人の技術を継承し、実務に対処し、独自の境地を拓くには、船型設計ノーハウ(暗黙知)の定量化・設計ツール化と各社のCFD実用化レベルの均一化による船型設計や性能検討の協業と技術討議活性化が重要とされます。HRCではこれらの課題に答えるため船型設計システムHDS (Hull Design System) を開発しました (この技術は現在SRC Tipsに引き継がれています)。また、設計でのCFDの実用化を目的とする船舶性能計算研究会 (SPCG) もHRCと連携して実施しています。以下にSRC Newsでご紹介した記事がありますので、ご覧いただければ幸いです。

      ●武隈 克義、中手造船会社と日本造船技術センターの共同研究について、(SRC News No.77 2008)

      ●金井 健、造工中手船型研究会(HRC;Hull Research Committee)について、(SRC NEWS No.106 2020)

  • (過去の開催)

    • HRC過去の開催

      ●第146回:令和1年5月30日 (木) @SRC

      ●第147回:令和1年9月30日 (月) @SRC

      ●第148回:令和2年1月30日 (木) @SRC

      ●第149回:令和2年3月25日 (水) @書類審議

      ●第150回:令和2年6月24日 (水) @オンライン

      ●第151回:令和2年10月5日 (月) @オンライン

      ●第152回:令和3年1月28日 (木) @オンライン

      ●第153回:令和3年3月26日 (金) @オンライン

      ●第154回:令和3年5月28日 (金) @オンライン

      ●第155回:令和3年10月8日 (金) @オンライン

      ●第156回:令和4年1月31日 (月) @オンライン

      ●第157回:令和4年3月29日 (火) @オンライン

      研究テーマ
  • 船舶性能計算研究会

    • 船舶性能計算研究会 (SPCG:Ship Performance Calculation Group)

      波浪中の実験(上)とCFD(下)の圧力分布の比較
      (対象はバルブレス船型で右側が船首)

      造船工業会の中手技術連絡会の要請によりSRCが中心となって開催しているCFDに関する研究会です。様々なテーマについての共同計算を通じ、相互のCFD計算能力の向上を目指しています。HRCと同日に開催しており、メンバーはHRCのメンバーを中心に海上技術安全研究所のCFD開発センターがオブザーバーとして参加しています。

      2021年度から開始している第6期(3年間)ではベーシックグループとアドバンストグループの2つのワーキンググループを立ち上げて、前者ではボトムアップを、後者では先端的適用をカバーする体制となっています。

3.SRC NEWSの発行

最新の技術情報の紹介、SRCの研究成果等を、年間2冊(6月、12月)発信しています。

連絡先

研修・技術支援室 (0422-40-2825)